自学を成功させるには? ——毎日腕立て伏せ200回を10年続け肘を壊した話
私事ですが、数年前まで毎日、腕立て伏せを200回、自宅でトレーニングしていた時期がありました。
誰に教わるでもなく、自分の感覚だけを頼りに、来る日も来る日も、こなしていました。
結果、どうなったか。
肘の関節を痛め、しばらく、トレーニングそのものができなくなりました。
フォームが、少しずつ、崩れていたのです。加齢のせいもあるでしょう。
けれど、自分では、それに気づけませんでした。誰も、その場で「今の、肘の角度、危ないですよ」と、教えてくれる人がいなかったからです。
この話を、なぜ、塾のブログに書くのか
実は、これと、まったく同じことが、「勉強」でも起きます。
誰にも頼らない自学(独学)は、時に、これと同じ構造の危うさを、抱えています。
誤解のないように、先に、お伝えしておきます。私は、自学を、否定するつもりは、まったくありません。私自身、資格取得は全て自学ですから。
自分の頭で考え、自分で調べ、自分で試行錯誤する経験は、それ自体、人生において、大きな財産になります。100%の自学は、人生経験としては、間違いなく、プラスです。
けれど、それとは別に、正直に、お伝えしなければならないことがあります。
特に、試験日が決まっていて、やり直しのきかない「受験」においては、自学は、諸刃の剣なのです。
なぜ、「諸刃の剣」なのか
自学が、身を結ぶには、一つの、条件があります。
「自分の、今の勉強法の、どこが間違っているか」に、自分自身で、気づける力——これです。
腕立て伏せで、私の肘を痛めた、あの、フォームの崩れ。それに、自分では、なかなか気づけなかったように。
間違った勉強法を、繰り返しても、多くのお子さんは、それが間違っていることに、自分では、気づけません。
覚え方が、非効率でも。理解が、あいまいなままでも。「これで、合っているはずだ」と、思い込んだまま、その勉強法を、続けてしまう。
これは、才能の問題では、ありません。「自分の勉強法を、客観的に見つめ、修正する」という、特別な力——いわば”勉強のセンス”が、必要になる、ということです。
そして、正直に申し上げます。**この力を、最初から持っているお子さんは、多くありません。**多くのお子さんにとって、これは、半年、一年という、長い試行錯誤の末に、ようやく、身につくものです。
コツを掴む前に、受験日が来る
ここに、受験という戦いの、厳しさがあります。
**人生の他の場面であれば、半年や一年、試行錯誤しても、構いません。**遠回りも、また、糧になるでしょう。
けれど、受験には、決まった日が、あります。やり直しは、ききません。
コツを掴みかけた、まさにその時に、試験日が来てしまう。それでは、あまりに、惜しい。
私が、肘を痛めてから、正しいフォームを、専門家に教わっていれば——あの怪我は、防げたかもしれません。そして、もっと早く、効率よく、体を鍛えられていたはずです。
だからこそ、賢伸塾は、生徒を、一人きりで、机に向かわせません。
**「自分では気づけない、勉強法のフォームの崩れ」を、その場で、見つけ、その場で、正す。**それが、私たちの役目です。
100%の自学が、まだ、コツを掴んでいないお子さんにとって、時に、危ういように。100%の管理も、また、お子さんから、自分で考える力を、奪ってしまいます。
大切なのは、そのバランスです。
自分の頭で、考えさせる。けれど、そのフォームが、崩れ始めた時には、見逃さず、正す。
一人で抱え込ませず、かといって、すべてを、やってあげるのでもない。——そのちょうど良い距離感こそが、賢伸塾が、目指している場所です。
最後にもし、お子さんが、一人で、机に向かい、頑張っているのに、なかなか、結果に結びついていないなら。
それは、努力が、足りないのではないかもしれません。
気づかぬうちに、フォームが、崩れているだけかもしれないのです。
そして、それは、本人には、なかなか、気づけません。だからこそ、隣で、見ている人間が、要るのです。
肘を痛めた私だからこそ、はっきりと、申し上げられます。
独学は、尊い。だが、一人では、見えないものがある。