憧れを辞めた時-1


2026/5/1

憧れを辞めた時-1

大手塾の管理職を経て独立した20年前、私はある一つの「理想」を追い求めていました。県外ですが全国的に有名な個人塾です。

その塾は圧倒的な熱量で生徒を鼓舞し、凄まじい演習量で偏差値の壁をぶち破る、いわば「最強の軍団」を作る塾です。

そこには、既存のヌルい教育を焼き尽くすようなエネルギーがありました。私はその塾長を深く尊敬し、一時期は本気でその背中を追い、同じ高みを目指そうとしたこともあります。

しかし、ある時、私は気づいたのです。

**「その山を登り、頂点に立てるのは、一握りの適応者だけではないか」**と。

「適応」の限界と、「対応」の夜明け

その塾が育てるのは、現代資本主義という過酷なピラミッドの中で、誰よりも速く、強く走り抜ける**「大組織での最強の管理職・エリート層」**です。ルールが決まった世界で勝つには、圧倒的な「量」と「継続」こそが正義。それは間違いなく、一つの正解です。

しかし、時代は変わりました。

ルールそのものが書き換わり、明日の正解が今日の不正解になる「未来資本主義」の足音が聞こえています。

がむしゃらに適応しようとして、心が折れてしまう子。

量の暴力に埋もれ、自分だけの輝きを失ってしまう子。

私は、彼らがその過程で「捨ててしまったもの」の中にこそ、未来を生き抜く宝が眠っていると確信したのです。





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